人を殺し、親を殺し、わが子を殺し、
よくよく考えてみるとやはり道徳というところへ結びついて行く様だ。

私も若いころは今の子供は昔と違うのだからと言い不可抗力の様に考え過ごして来た。が、今の子供はと言っている所を見ると、自分の時とは違う言う事ではないか、自分たちの時はこれ程の事はなかったという事ではないのか、昔の常識が今は通用しないと言う事なのだが、その原因は科学の進歩で人間の環境が変わり云うなれば昔の常識と今の常識は時代の進歩に伴って変って来たという事なのだ、が、では人間はどうか、科学によって生まれたロボットではない、あくまで人間から生まれてきた人間であって、よく考えて見ると どう考えても、いくら科学が発展しようが人間そのものはどこまで行っても人間ではないのか、本質は変わらない筈だ。

となれば、今の子供も昔の子供も変わりはない筈である、今の子供と言う事でかたずけないで、自分が育ってきた時と同じ事を教えれば良いのではないか。教えないで居れば、時代に順応するはずなのだから、その時、その時だけの人間になってしまうのはこく当たり前の事だ。

生まれた時は皆同じ、成長の過程で変わっていくので、今の子供でかたずけてしまうと生まれたままの子供がそのまま何も知らず大人になるだけで、体は人間でも行動は単純な動物となんら変わらない物になってしまうではないか。人間の基本を踏まえて成長し、その上で知識を得て大人になるのでなければ人間ではない単なる生き物でしかならなくなる。英才教育と言うが肉体にともなはなければかたわな人間になって当たり前だ。

いくら世の中が進化しても基本のない人間、昔と同じ道徳とまで行かなくても基本を教えて行かなければ、人殺し、親殺し、子殺しの世の中は変わらない。